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メキシコの山中で行方不明のスクーターを探す旅/ウアウトラ


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ボクらの初代スクーターHONDA Silver Wing 600が、メキシコの山中で行方不明です。
かいつまんで事情を説明すると、今年の春ごろRタロー君がオアハカ州の山中をドライブ中、スクーターの電気系統が燃えだして走行不能になり、付近の村人にスクーターを預けたわけですが、預けてた人からの連絡が途絶えました。
ネコババされたか?
タコス屋を多店舗展開する青年実業家ビセンテの従兄弟、セルヒオのCHRYSLERに乗り込み捜索に出かけました。
ビセンテは急用ができたので、祐子とセルヒオとボクの頼りない三人組です。
現場は、シャーマンとマジック・マッシュルームとマサテク族の聖地として有名な、ジャンキーの町ウアウトラです。
Rタロー君はジャンキーの町に何の用事があったのでしょう。
ウアウトラは3000メートルを超す山々にへばりついた、霞に隠れた集落で、メキシコ・シティから東へ400キロも離れています。
メキシコ人の元トラック運転手が語るに、
「夜はトラックをも襲う豪快な強盗が出没する、危険地帯」
だそうです。
っていうか、彼が襲われた被害者でした。
 
ウアウトラでスクーターを預かってくれたアミーゴの名は、カルロス。
カルロスは、何度もメールを送っているのに返事をよこさないので、「スクーターを売り払って逃げたに違いない!」容疑で、ボクら的には指名手配犯です。
容疑者カルロスの手がかりは、僅かです。
ファミリーネームが不明で、電話番号がわからない、住所も途中まで、ヒントは「お店の角を曲がって右手の二軒目」だけです。
お店の角を曲がった二軒目のカルロス...、つまり日本人的視点に置き換えれば、お店の角を曲がった太郎さんを探すような難易度です。
ウアウトラに到着して山の斜面に広がった家々を眺めて、その予想外の集落の大きさに即刻捜索を中止して帰ろうと思いました。
諦めが早いのが得意技です。
 
しかしメゲル事を知らないメキシコ人運転手のセルヒオが聞き込みしたら、驚いた事に30分とかからずカルロスの家を発見↓。
 
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カルロス本人は留守でしたが、お母さんにスクーターの写真を見せたら、あーあーっと暗い顔をして頷いてました。
ビンゴです。
のらりくらりと要領を得ないお母さんからカルロスの立寄先を聞き出し、娘さんが入院している町に一軒しかない病院へ急行。
町に一軒しかない病院なのに、道を訊ねても訊ねても辿り着けず、狭い道をぐるぐるまわり、罠かと思いました。
そういえばお母さんに家の番地を尋ねたら、家のドアの周囲をあれこれ見て、困り顔で眉間に皺を寄せるだけでした。
番地なんか、住んでる本人も知らないようです。
 
肩幅の広い笑福亭鶴瓶に似たカルロスに対面し、自己紹介をして軽く握手を交わし尋問をしたところ、スクーターは彼の故郷のTuxtepecに放置されている事がわかり、有無を言わさず、ていうか、彼は何が嬉しいのか円満の笑顔で同行してくれることになりました。
暇なのかねあんた。
なぜか工具箱を抱えて車に乗り込んで来ました。
Tuxtepecは目眩がするほどに遠く、霧に霞む蛇行した山道を片道三時間もかかります。
このまま仲間のアジトに連れ込まれてお釜を掘られる可能性も捨てきれませんが、笑福亭鶴瓶似のカルロスを見てたら、なんだかそれもいいのかなぁとすっかり寝てしまいました。
 
一時間ほど走ってたら車が怪音をたて始め、運転手のセルヒオとカルロスは、路肩でボンネットを開けたり覗いたり、相談したり笑ったり、クーラントを買ったり入れたり、ブレーキパッドが安かったと喜んだり、修理工場へ寄ってブレーキパッドを交換したり、携帯の番号を交換したり、高校生みたいに仲良しです。
ま、いいけど。

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写真右側がカルロスです。
 
Tuxtepecのカルロスの実家の門扉からリビング、キッチンと一直線に抜けた裏庭の右手奥に、Silver Wingが眠ってました。
 
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ほとんどのカウルが取り外されて、見るも無惨な姿でしたけど、無事といえば無事のような、いっその事、見つからない方が面倒がなかったのにと、複雑な思いを胸に秘め再会を喜びました。
カウルやらシートやらが外されていてもそのままでは車に乗らないため、カルロスが持参した工具を広げて嬉しそうにさらにバラバラにし始めました。
単なる解体マニアです、彼。
それでも車に積めなかったので、オイルを抜いて横倒しで、強引に車に突っ込みました。
近所の子供が集まり、用もないくせに「ハポネス!」と呼ばれ、乳のでかい娘さんたちも遠巻きに笑顔を贈ってくれました。
 
カルロスの家族があれやこれやと協力してくれたので、お礼に500ペソ(3,500円)を渡し、記念写真を撮り、Tuxtepecの街を後にしました。
 
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途中コメドール(食堂)でタコスをご馳走し、カルロスを家に送り届け、厚くお礼をしたら、
「あと250ペソ(1,750円)ください」
と厚かましいことをおっしゃってましたが、丁寧にお断りしました。
スクーターを預ける時にRタロー君がけっこう支払ってますから、もう十分です。
 
ところでスクーターからガソリンを抜かずに横倒しにしたため、道中ガソリンが漏れて、車中は一発触発、走る爆弾状態になりましたが、それでも運転手のセルヒオは、タバコを吸ってました。
メキシコ人の危機管理能力の限界です。
 
スクーターで南下中のシュンさんに教えてもらったメキシコ・シティのHONDAヘ、バラバラ死体状態のスクーターを預け、修理見積もりを依頼しました。
 
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ここのHONDAのスタッフは、床に溢れたオイルはすぐに拭き取るし、スクーターを持ち上げる時に「1,2,3」とかけ声をかけるし、バラバラの部品をひとつずつデジカメに撮るし、信頼できそうです。
 
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ペンション・アミーゴに到着し、運転手のセルヒオに約束より多い1,500ペソを渡そうとしたら、「2,000ペソ」を要求されました。
ま、車内にガソリンをこぼしたし、ドアのパッキンを破ったし、バンパーにも傷を付けたし、しょうがないね。
 

★捜索隊の費用★
運転手のセルヒオに2,000ペソ
カルロスに500ペソ
ガソリン代1,350ペソ
食事代360ペソ
合計4,210ペソ(29,470円)

 
修理見積もりがいくらになるか、心配です。
 

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