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2009年7月 4日

2009年7月17日(金)[スヴァールバル諸島/スピッツベルゲン島/ロングイェールビーン二泊目/ノルウェー]

世界の最北、最果ての町ロングイェールビーンにいます。
南極の昭和基地より緯度が高い、極地です。
従って木が生えていません。
風が吹いているだけ、です。
  
昼飯を食べてから、空港内のレンタカー会社を訪ねました。
レンタカーは特別高くもないのですが、たとえ車を借りても、この島には道がほとんどありませんでした。
右へ進むか、左かです。
どちらもゴールはすぐです。
 
空港から出る750円もするシャトルバスでツーリストインフォメーションへ出かけ、各種極地探検ツアーを研究しました。
楽しみにしてた犬橇は、夏は道路を走るので(タイヤ付き)、それじゃぁ単なる馬車の犬仕様じゃないかと、即座に却下しました。
氷の洞窟を這う氷窟ツアーは、冬季限定のアトラクションでした。
炭鉱ツアーも危険だという理由で、思うに最近事故があったのでしょう、すでに中止になってました。
選択肢が少なくなり、明日のATVツアーをツーリストインフォメーションのパソコンから予約しましたが、送迎車のピックアップリストにキャンプ場がないので(この後、この問題が常につきまといます)、ツアー会社を直接訪ねてピックアップをお願いしました。
ネット予約した意味がありません。
 
海岸沿いを歩いてたら、カモメの強襲を受けました。
カモメは空中でホバリングして正確にボクらの頭を狙ってきます。
獰猛なカモメ撃退用に1メートルほどの棒が、道路脇に常備されていました。
シロクマならいざ知らず、カモメに殺されたんじゃ成仏できないです。
今日もヒッチハイクして帰りました。
 
晩飯後、テントの中で繕いもの大会です。
ボクのズボンのお股には、パンツさえ穿かなければバナナが垂れ下がるほどの大きな穴が空いてます。
工夫すればお尻も拭けます。
祐子の衣服はどれもこれも穴だらけです。
お気の毒です。
 
深夜、とはいえ白夜ですから真昼のように明るいのですが、痛そうな大粒の雨が降り出すわ、テントを飛ばしかねない風が唸るわで、極地の愛のない歓迎に暗澹たる思いで寝たものです。
 
祐子の寝袋は冬用なので暖かく、ボクのは「小春日和」程度です。
背中の寒気と尿意が生きてる証です。
トイレが遠いので、朝まで我慢する所存です。

◉Internet→図書館のネット(無料)

朝→なし
昼→インスタントラーメン
夜→バターで鮭を焼き、もやしを炒め、粉末に牛乳とバターを入れてかき混ぜて作るマッシュドポテト、キュウリを食べました

2009年7月18日(土)[ロングイェールビーン三泊目/ノルウェー]

ATV車で炭鉱跡地を走りました。
他ではお目にかかれない極地の自然の真っただ中にいながら、雪山や氷河ではなく炭鉱跡地の砂利道を攻めるのは、いかがなものかといぶかしく思いながら。
借りたATV車はアクセル全開で時速85キロぐらいですが、冷気のつぶつぶが顔に突き刺さり、泣きながら走りました。
とりあえずシロクマの出演を願ってます。
15年前には、この近くで女性がシロクマに殺されたそうですが...。
 
7番炭鉱の丘から西側を見下ろせば、入り江にへばり付いたロングイェールビーンの町は、白黒の雪山と氷河に囲まれ、溜息ものです。
三か月ほどでいいから、生活してみたいです。
極夜の最盛期は、一日中一寸先は闇状態だそうです。
手探りで家を探すそうです。
街灯くらいないのでしょうか。
 
ATV会社のマーチン青年に、冬に戻るから月々60,000円くらいの安いアパートを探してくれと依頼しました。
お礼に寿司を握ると言ったら、ハイタッチで喜んでくれました。
お寿司、握れませんが...
 
セントロで土産物屋を物色して、スーパーで白菜ともやしを買い、ヒッチハイクして帰りました。
祐子のヒッチハイクも慣れたものです。
 
夜中、あまりの天気の良さに、西陽の明るさに、ほのかな暖かさに、キャンプ場の皆がカメラを手に辺りをうろうろしてました。
寝るには惜しいのです。
テントの中でDVDを観て、本を読んで過ごしました。
もちろん懐中電灯は必要ないです。
 
ネットはしませんでした。

朝→パン
昼→レストランでカレーライス
夜→白菜と鮭の味噌スープと昨夜と同じ粉末のインスタントマッシュポテト

2009年7月19日(日)[ロングイェールビーン四泊目/ノルウェー]

今日、シロクマが撃たれて殺されました。
年に二頭ほど、撃たれるそうです。
 
ツーリストインフォメーションのパソコンで明日の氷河行きの小舟を申し込み、キャンプ場でピックアップしてくれるよう画策するも失敗し(日曜日なので事務所が開いてない)、アウトドアショップで調理道具を収納する小さなバッグを買ってから、カヤックにでかけました。
シーカヤックは初めてです。
XLサイズの巨大なジャケットとライフジャケットと厚い毛糸の靴下と長靴に着替え、若干の説明はほとんど理解できませんでしたが、灰色の冷たい海へ漕ぎ出しました。
舵が取れず、あれれれれっと流されたり、パドルが空振りしたり、水飛沫を祐子にかけたりしながら、蛇行しつつ漂うように対岸を目指し、もう勘弁してほしいと弱音を吐いたころ、浅瀬に乗り上げました。
絶望的に陰鬱な浜です。
浜のすぐ背後には一本の木も生えていない低い山が迫り、アイテムのほとんどない殺風景な土地に点々と建てられた十軒ほどの家が、世界の果てをどんよりと演出してました。
どんな理由があってこんな辺鄙なところに住むのでしょう、ここの住人。
夏こそ白夜ですが、冬は極夜、一筋の光も差し込まない完璧な闇が続きます。
狂わず自殺せず他人を殺さず、シャイニングせず。
とはいえ、ボクらがここで暮らすにはどうしたらいいのか、祐子と検討してます。
朽ちた建造物は倒産したロシアの会社の残骸で、釘が錆びた材木が大量に放置されていました。
海にはアザラシの小さな黒い頭が浮かんだり沈んだり。
地上数十センチほどの低空飛行をする白いカモメたちの一群。
草を食むトナカイが二頭。
彼らはシーズン限定でハンティングされる運命です。
巨大なジャケットの上にさらに巨大なジャケットを着込んで焚き火にあたり、ビスケットとコーヒーで休憩しました。
軽くジョギングして身体を暖め、カヤックに乗りました。
帰路、次第に大きくなる波に次々と襲われ、痺れるように冷たい水をかぶり、何気に船酔いしました。
7時間のツアーが5時間で終わったのですが、そんなことはどうでもいいです。
疲れました。
 
激しい風の吹く夜でした。
 
ネットはしませんでした。

朝→パンとソーセージともやし
昼→昨日のレストランでパスタとスープ
夜→ソーセージともやしのスープ

2009年7月20日(月)[ロングイェールビーン五泊目/ノルウェー]

昨夜から風が轟々と唸ってます。
郷々だと、ヒロミです。
 
ペグを打っていないボクらのテントは吹き飛ばされかねない重苦しい空気の中、ボクの「小春日和」用の寝袋は、凍死するには暖かすぎます。
ヒッチハイクしたドライバーのアドバイスは、ロングイェールビーンの冬は1月、2月、3月がいいそうです。
完全に真っ暗な極夜の1月、ピンク色にぼやけた2月、明るくなる3月です。
松任谷由実の「春よ、来い」を聴きたくなりました。
 
スーパーで食糧、アウトドアショップで小さな防水袋、郵便局とスーパーでシロクマの切手を買いました。
1時からの氷河行きの船は、強風のため中止となりました。
身を刺す寒さです。
飛行機の離発着も二時間以上遅れています。
なすすべもなくキャンプ場のリビングでだらだらと読書しました。
ジェイムズ・ジラード「遅番記者」。
祐子はハリーポッターの最終巻を読んでいます。
窓の外をキツネが歩いてました。
 
今日もネットはしませんでした。

朝→インスタントラーメンとソーセージともやし
昼→パンとソーセージとキュウリ
夜→ほぼ、同上

ロングイェールビーンの経費概算/スピッツベルゲン島/スヴァールバル諸島/ノルウェー統治

 
P7181598.jpg
飛行機はSAS(Webサイト→)で、オスロか、トロムソから飛びます。
トロムソからの便は、一日一便。
料金は毎日微妙に違います。
ボクらの往路は、
1246クローネ。
復路は、
1231クローネ。
※1クローネは約14.5円
 
夏しか開いてない、っていうか年に二ヶ月くらいしか開いてない、世界最北のキャンプ場、ロングイェールビーンキャンピング(Longyearbyen Camping)
一人一泊90クローネ。
テントを借りると100クローネ。
シャワーは5分で10クローネ。
 
ゲストハウス 102(Gjestehuset 102)
鉱夫の寮だった建物です。
ドミトリー280クローネ(素泊まり)
シングル/ダブル475/790クローネ(朝食付)
 
キャンプ場から町の中心へは約4キロ。
一日二便(午後二時頃と午前二時頃)くらい。
空港のシャトルバスが、50クローネ。
タクシーは120クローネ。
 
カフェで昼飯を食べたら、65〜70クローネくらい。
ネットは図書館のWi-Fi(無料)。
猟銃は一週間で70ユーロ(玉10発付き)。
レンタカーは約800クローネ(24時間)。
 
★各種ツアー★
エスマーク氷河(Esmarkbreen)日帰りクルーズ。990クローネ
ATVツアー(3時間)。990クローネ
カヤック(7時間)。690クローネ
炭鉱ツアー『三番炭鉱』590クローネ(→中止)
犬ゾリ(Dog sledge)冬のみ。夏はソリではないです。890クローネ
氷窟探索(Ice caving)。冬のみ。690クローネ
ほか、いろいろ。
ツーリストインフォメーションで検索、予約できます。
キャンプ場は、ピックアップしてくれないので、個別に頼みましょう。
断られたりしましたが。
 
白菜一個20クローネ。